たまりば

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自作解説12号目『アッシリアの踊り Assyrian Dance』

町田市で作曲家やってるTomです。今回は『アッシリアの踊り Assyrian Dance』かね。


一つのリズム動機に固執して、ひたすら反復。音高も固定。あたかも石にレリーフを専心して彫刻するかのように。くりかえされるピアノの打鍵との類似。

アッシリア時代には、リラ2丁とシンバル、枠太鼓の4人が演奏するレリーフがのこされている。しかも髪がなびいているところから、踊りながらの演奏だと推定されている。遠い昔への追想。参考資料は『人間と音楽の歴史 メソポタミア』(音楽之友社)。

音楽はどうやってのこるのか。録音はまだ140年ていど。なんといっても楽器そのものは、8,000年前でも音楽やってた直接の物証。それと、音楽やってる人々の図像は、音楽がどんな人々によって、どんなところで、だれのために演奏されていたのかを語る、きわめて貴重な資料。ときには演奏方法を教えてもくれる。

音楽図像学、音楽社会学の知見は、楽譜から音楽をとりだす研究以上のひろい地域・時代の音楽を知らしめる。

その基本資料が『人間と音楽の歴史』日本語版、全26巻ですね。大判の図版と精通した研究者による解説は、まさしく、もののみかたをかえてくれる。

原著は世界中の地域を対象に、古代音楽、民族音楽を網羅し、全40巻刊行予定だったが、26巻で刊行ストップ。のこされた空白で大きいのは、古代音楽の中国と、民族音楽の極東アジア。ありがたいことに、どちらもわれわれに近しい地域っすね。

あと、古代ヨーロッパ、ビザンチンもぜひ刊行してほしかったところ。

楽譜はこちらからどうぞ。
https://store.piascore.com/scores/44659


タグ :自作解説


  • 2020年10月13日 Posted byTom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)

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