たまりば

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自作解説19号目『ただいまのこえ』

町田市で作曲家やってるTomです。『ただいまのこえ』で、ただいま。


やさしいピアノ作品シリーズ。

この曲は、和声進行の規則をゆるやかに侵犯したもの。完全5度平行と呼ばれる禁則を、やっちゃってます。

禁則はなんであるのかというと、音の縦のかさなりが美しくなるための工夫と、横のつながりをスムーズにする理由がある。あともうひとつ、調性を確保するためでもある。つまりある調ではじまったら、おなじ調で曲が閉じてほしいということ。

この曲の始まりの調性ははっきりしない。自然短音階に基づいたイ短調におもえるけど、曲は平行調のハ長調で閉じられる。だから和声分析してみて、釈然としなくてかまわないんです。

夕方に、だれかが帰ってきてきこえる「ただいま」の声を、待ってるような気分が紡がれれば。なぜかしら夕方には鐘が鳴る印象がある。それで、鐘の余韻がかさなりあう効果を、ねらっている。これはペダルが使えるピアノの強みです。

それと、内声に出てくる旋律が、右手と左手でスムーズに受け渡せるように。

楽譜はこちらからどうぞ。
https://store.piascore.com/scores/44634




  • 2020年10月24日 Posted byTom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)

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