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自作解説4号目『古の武器踊り Pyrrhiche』

町田市で作曲家やってるTomです。こんどは『古の武器踊り Pyrrhiche』だな。


「古」と書いて、いにしえと読む。「Pyrrhiche」と書いて、ピュリケーと読む。
古代ギリシアからエトルリア、古代ローマあたりまで確認できる、武装した男性の踊り、ピュリケー。
さまざまな民族の武装踊りが、資料から確認できるので、伴奏楽器はアウロスだけとはかぎらない。
実際の戦闘でも、戦闘隊形を整えるのに音楽が利用されていたのが、競技として様式化したのだとおもわれる。

基本的に順位を競ったので、個人舞踏だったようだ。そんなものは再現できないので、あくまでもピュリケーから想を得たピアノ音楽。
この音楽に沿って、整然と舞踊のステップが変わるさまがおもいうかんだらうれしい。武装踊りは、模擬の殺人に関わるわけだが──凱旋門は、人殺しどもが帰還の際にくぐることで、都市の市民生活に復帰する浄化を意図したという──、美的側面がより評価されたと、考えておこう。

これ書くとき、友だちが主催するレイヴパーティの誘いをことわった。「これから曲書くから」と。プチ背水の陣。宣言したわりに、なにも出てこなかったらどうしようと。それがちゃんと曲にまとまって、ほっとした週末。

ちなみに、ピュリケーをあたった資料を挙げると。ヘロドトス。トゥーキュディデース。プラトン。クセノポン。アリストテレース。アテナイオス。タキトゥス。どれも岩波文庫さまさまでごぜえます。それと京都大学学術出版会の、西洋古典叢書。

楽譜はこちらからどうぞ。
https://store.piascore.com/scores/44670


タグ :自作解説


  • 2020年09月30日 Posted byTom Motsuzai at 13:00 │Comments(0)

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