はなれてつたわる:視覚
町田市で作曲家やってるTomです。とあるあいさつのはなし。
*
ややとおくにみえる、知人。「じゃあねー」とあいさつに、てをあげる(←それ、きこえてない)。
みぎてを、まずは垂直方向へ掲げる。すると。
こちらを認知した彼もまた、まったく同一のタイミング、速度でみぎてを掲げてくれるぢやないか。
どちらもが自発的におこなった運動が、グーゼンにもパーペキに同期してしまった。
それをめにした瞬間、彼の腕が即座に体感されることとは、相なった。
*
視覚で認知されるその運動(=あいさつ)は、はなれていたから、おこなわれた。
たがいにむきあった格好から、とりわけうごきのめだつ、上腕にのみ、意識の焦点があたる。
そして、じっさいではおきえない腕のからめあいが体感されたことになる。
あくまでも焦点のあたった腕のみといふのが、ポイント。
*
げんじつに、たがいのうでをからめ、あいさつに掲げる速度に達するのは、不可能。
れんしゅうしていようが、ケガしてしまう。
だいいち、たがいのうでをからめあって掲げるあいさつなぞ、なされるわけがない。
そうであるなら、あのときの体感は、いったいなにを体感していたといえるだろう?
*
ややとおくにみえる、知人。「じゃあねー」とあいさつに、てをあげる(←それ、きこえてない)。
みぎてを、まずは垂直方向へ掲げる。すると。
こちらを認知した彼もまた、まったく同一のタイミング、速度でみぎてを掲げてくれるぢやないか。
どちらもが自発的におこなった運動が、グーゼンにもパーペキに同期してしまった。
それをめにした瞬間、彼の腕が即座に体感されることとは、相なった。
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視覚で認知されるその運動(=あいさつ)は、はなれていたから、おこなわれた。
たがいにむきあった格好から、とりわけうごきのめだつ、上腕にのみ、意識の焦点があたる。
そして、じっさいではおきえない腕のからめあいが体感されたことになる。
あくまでも焦点のあたった腕のみといふのが、ポイント。
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げんじつに、たがいのうでをからめ、あいさつに掲げる速度に達するのは、不可能。
れんしゅうしていようが、ケガしてしまう。
だいいち、たがいのうでをからめあって掲げるあいさつなぞ、なされるわけがない。
そうであるなら、あのときの体感は、いったいなにを体感していたといえるだろう?
2023年05月26日 Posted by Tom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)
はなれてつたわる:味覚
町田市で作曲家やってるTomです。とあるレストランでのはなし。
*
しょくじがおわって、サーヴィスの親分とはなしていると、エグゼクティブシェフがテーブルにいらっしゃる。
「merci beaucoup, maestro」と、チャンポンでこえをかけ、あくしゅ。すると。
それまでにいただいたかずかずのりょうりが、とつじょとしてよみがえる。
くちにしたそれらは、彼、オリヴィエ・シェニョン氏の口中をもとおり、じゅんびされたものだったと。
おなじりょうりをつうじて、あたかも彼の口中を体験したかのやうな。
その食感の再体験は、セクシュアルなものですらあった。
*
ミシュラン3つ星を5年にわたって連続獲得する、ロオジエ。
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/3522_z2o57_jp.pdf
それだけシェフ個人が前面に立ち、記名性のつよいメニューだからこそ、かんじられた体験ではある。
また、もちいるやさいは有機無農薬ともいふ。
かよってるはたけのやさいはつかってもらえない、、。
*
で、なんでそんな美食をたのしんだのかって?
いや、その人生の探究に──。
*
しょくじがおわって、サーヴィスの親分とはなしていると、エグゼクティブシェフがテーブルにいらっしゃる。
「merci beaucoup, maestro」と、チャンポンでこえをかけ、あくしゅ。すると。
それまでにいただいたかずかずのりょうりが、とつじょとしてよみがえる。
くちにしたそれらは、彼、オリヴィエ・シェニョン氏の口中をもとおり、じゅんびされたものだったと。
おなじりょうりをつうじて、あたかも彼の口中を体験したかのやうな。
その食感の再体験は、セクシュアルなものですらあった。
*
ミシュラン3つ星を5年にわたって連続獲得する、ロオジエ。
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/3522_z2o57_jp.pdf
それだけシェフ個人が前面に立ち、記名性のつよいメニューだからこそ、かんじられた体験ではある。
また、もちいるやさいは有機無農薬ともいふ。
かよってるはたけのやさいはつかってもらえない、、。
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で、なんでそんな美食をたのしんだのかって?
いや、その人生の探究に──。
タグ :しょくぶつ
2023年05月25日 Posted by Tom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)
作曲を学ぶ&楽しむ会のお知らせ
町田市で作曲家やってるTomです。毎月開催、作曲を学ぶ&楽しむ会のおしらせ。
第37回。しめきりは5月31日。
https://sakkyoku.ensemble.fan/correction-37/
2小節の旋律課題を出します。それを利用して、16小節ていどの小品にまとめてくらはい。編成は自由。
今回の旋律はソ長調、4分の4拍子。
メロディを8小節にかきのばして、かんたんな伴奏をつけたていどでもオーケイ。
*
2小節のメロディといふ、音の羅列。
そこに感じる一人ひとりの感性が、その先を規定し、やがて創作がはじまる。
さらにはそこにみずからの状況、そのときの世情、季節等が反映され、作品がおのれの個性をもっていく。
たんなる音の羅列が、一人ひとりの人生をくくり出した、一回性のものとなっていく。
それに評価をくわえるって、どういう作業なんだろう。
*
応募作品に、寸評つけます。そのあとZOOMを使った質問会を、任意参加で開催(別料金)。
あそびのつもりで、まずはじめてみよう。
第37回。しめきりは5月31日。
https://sakkyoku.ensemble.fan/correction-37/
2小節の旋律課題を出します。それを利用して、16小節ていどの小品にまとめてくらはい。編成は自由。
今回の旋律はソ長調、4分の4拍子。
メロディを8小節にかきのばして、かんたんな伴奏をつけたていどでもオーケイ。
*
2小節のメロディといふ、音の羅列。
そこに感じる一人ひとりの感性が、その先を規定し、やがて創作がはじまる。
さらにはそこにみずからの状況、そのときの世情、季節等が反映され、作品がおのれの個性をもっていく。
たんなる音の羅列が、一人ひとりの人生をくくり出した、一回性のものとなっていく。
それに評価をくわえるって、どういう作業なんだろう。
*
応募作品に、寸評つけます。そのあとZOOMを使った質問会を、任意参加で開催(別料金)。
あそびのつもりで、まずはじめてみよう。
タグ :勉強会
2023年05月11日 Posted by Tom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)
『母』アフタートーク
町田市で作曲家やってるTomです。満席でむかえた劇団文化座『母』公演、5月9日。
あちこちからわらいが、なみだが、客席をとおりぬけていく。
ゲネプロよりも、さらに細部の彫りがふかくなった本公演。
客席に力を得た多喜二の口舌は、さらに堂々と、舞台に朗々とひびきわたる。
そのメッセージは、現代の99%たるわれわれに、マンマぶつつけられるのだ。
*
そして、アフタートーク。
「イタコの口寄せ」と語る、演出の鵜山氏。
あったことのないひとが、そこにいる。いきて、こころをうごかしたしゅんかんを、めのまえにみせてくれる。
そして多喜二の弟、三吾(=さんご)氏とのであいを語る、母セキこと、佐々木氏。
まさに、主演に人を得た演目であった。
*
つづいて客席からの応答。「音楽がすばらしかった」との、発言がとびだす。
なんと。一部なりとそこにかかわれたこと、まことにほこらしい。
あちこちからわらいが、なみだが、客席をとおりぬけていく。
ゲネプロよりも、さらに細部の彫りがふかくなった本公演。
客席に力を得た多喜二の口舌は、さらに堂々と、舞台に朗々とひびきわたる。
そのメッセージは、現代の99%たるわれわれに、マンマぶつつけられるのだ。
*
そして、アフタートーク。
「イタコの口寄せ」と語る、演出の鵜山氏。
あったことのないひとが、そこにいる。いきて、こころをうごかしたしゅんかんを、めのまえにみせてくれる。
そして多喜二の弟、三吾(=さんご)氏とのであいを語る、母セキこと、佐々木氏。
まさに、主演に人を得た演目であった。
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つづいて客席からの応答。「音楽がすばらしかった」との、発言がとびだす。
なんと。一部なりとそこにかかわれたこと、まことにほこらしい。
タグ :音楽雑記
2023年05月10日 Posted by Tom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)
「プロムナード/のあいだに」公開
町田市で作曲家やってるTomです。アートにエールを!東京プロジェクト採択作品。
専用サイト閉鎖にともない、動画チャンネルで公開。
解説は、即興の理路ならびに、動画のコメントに書いた。
即興=記譜を超えた、再現性のない、音のふるまい。
それをあのころ、録音で追求──曲間にサンドイッチするかたちで。
これもまた、新型コロナ禍の記録。
専用サイト閉鎖にともない、動画チャンネルで公開。
解説は、即興の理路ならびに、動画のコメントに書いた。
即興=記譜を超えた、再現性のない、音のふるまい。
それをあのころ、録音で追求──曲間にサンドイッチするかたちで。
これもまた、新型コロナ禍の記録。
2023年05月09日 Posted by Tom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)
「こどもたちへ」レビュー
町田市で作曲家やってるTomです。
新作発表 at 紀尾井ホールでお知らせしたコンサート。
そのレビューを、日本作曲家協議会 会報(2023年5月号、Vol.238)に書いた。
ちいさな出演者たち(と、その演奏)に、おおいに触発された。
とはいえ、オイラの作品を弾いてくれた宗茂くんとは、たいして背格好がちがわない、、。
新作発表 at 紀尾井ホールでお知らせしたコンサート。
そのレビューを、日本作曲家協議会 会報(2023年5月号、Vol.238)に書いた。
ちいさな出演者たち(と、その演奏)に、おおいに触発された。
とはいえ、オイラの作品を弾いてくれた宗茂くんとは、たいして背格好がちがわない、、。