自作解説47号目『雪原をさまようくま A Wandering Bear In The Snowfield』
町田市で作曲家やってるTomです。『雪原をさまようくま A Wandering Bear In The Snowfield』。
壮大な変奏曲。雪原をあるくクマが、冬ごもりをわすれてなにをしているのか。自由に情景をふくらませてほしい。
大バッハの、無伴奏ヴァイオリンのためのニ短調パルティータ(=組曲)といえば、掉尾をかざるシャコンヌ(=変奏曲)。
そのもられた音楽内容の豊かさと、各変奏の組み立てのたしかさ。きわめて息の長い展開、技巧のかぎりをつくす鮮やかさ。
その徹底的な探究心において、数ある大バッハの作品でもひときわ注目をあつめ、後世に影響をあたえた。
たしかに、意識した。めざすべき高みとして。それと、現代だからスウィングにした。
自作解説10号目『シーラカンス Coelacanth』とおなじく、両手にメロディが出てくる。主題の一部が動機として変奏に利用されたり、トッカータ風のうごきに主題がかくされたり。両手の交差もある。
とある年末、世間の仕事納めのつぎの日。あきらかに部屋着、起きたばっかという足どりで、スーパーにむかうおにいちゃんをみかける。まるで、冬ごもりから出てきたクマのようだった。
楽譜はこちらからどうぞ。
https://store.piascore.com/scores/44662