たまりば

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自作解説11号目『水道管スウィング Water Pipe's Swing 』


町田市で作曲家やってるTomです。そしたら『水道管スウィング Water Pipe's Swing 』がいいかな。


スウィングのここちよさ、シャッフルするリズムのノリ。低い音域のメロディへの関心。自作解説10号目『シーラカンス Coelacanth』とおなじっすね。

ピアノは88鍵もならんでいる楽器。しかしその最低音、最高音を作品の中で弾く機会はあるだろうか?弾けば鳴るのに、あそびでさわるだけなんて、ピアノがあの大きさである必要はないのでは。

それで最低音のラを、たんなるついでにではなく、きちんと弾く作品にした。

この曲を書く際、ふだん使ってるパソコンが故障(うちは電子ピアノです)。さあピアノが弾けなくなった。引っぱり出してきたiBook G4、Garage Bandのピアノ音源が鳴らせるじゃないか!それでしあげた1曲。あんまピアノの音色にこだわらないのはそのせいです。たいせつなのはいかに自分のものにするか。

ナイジェリアのフェラ・クティといえば、アフロ・ビートの創始者。息子たちは現役で、アフロ・ビートをそれぞれアップデートしつづけている。ポピュラー音楽への影響も大きい。しかし本人の録音きけば、けっこうショボい音のエレピ弾いてるんだよね。低音ははっきり割れちゃってるし。でもじゃあ、あれがスタインウェイだったらさらにいい音楽になったかといえば、そんなことはなく。

で、なんで水道管かって話。あの管(くだ)ってやつを、カンカン叩いて得られる金属音。とくにグランドピアノの低音弦は、金属質の音がめだつ。その類似。でもガス管でもなく、土管でもなく、なぜ水道管か。道路の下を縦横無尽に走る水道管と、中を流れる水は、都市の血管といってよい。そのゴキゲンさ。目に入ってこないはたらきものへの感謝。

さらにこれを書いてたちょうどその頃、雨のなか水道工事してたおにいちゃん。濡れて光る白いうなじが、ヘルメットと作業着のあいだからキラリ。あの美しさにかけて、よい曲にしようと。美は、みつけるものの視点のなかにある。

楽譜はこちらからどうぞ。
https://store.piascore.com/scores/44664




  • 2020年10月11日 Posted byTom Motsuzai at 11:00 │Comments(0)

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